絶望の次はどこへ
ある日急に
「ずっと好きじゃなかったことに気づいた」って恋人に振られたこともある
本命の彼女がいる男にそれを黙秘されて抱かれたこともある
ある日急に連絡がつかなくなっていなくなられてしまったことがある
若いどころか幼い時
「なんでもしてくれるなら付き合ってあげる」って告白をOKされて、セックス拒否したら別れ話を切り出されたこともある
決まった女がいる男とベッドインはしょっちゅう
学生寮に呼ばれていって、彼女のものだって下着が干してあるのを眺めながらセックスしたり
既婚ももちろん何回もある
その中の何人かはきっと私と会う時指輪を外している
私はそんなことわからないのにそれでも指輪を外すひとがいる
薬指に指輪を嵌めたひとと、そのひとの車内、チャイルドシートの乗った車内で事に及んだこともある
新婚一年もたたない男に嫁より好きとか言い寄られて、男の会社の最寄り駅で待ち合わせて会ったこともある
パッと思いつくのがこんなところで、女を売って六年、ほんとはもっといろんなことがあるだろう
それでちょっとやそっとで男を信用できるわけないんだよな
けれど
私が夜に来た原因はいろいろあるけど
その中のひとつは「男に絶望したかったから」だ
もう希望を持ちたくなかったし誰も好きになりたくなかったから
だから
その目論見はうまくいったと言える
信用はどんどんできなくなっていくし
誰かが誰かを好きになるさまとか、女が男を信用しているのを見て本当に馬鹿なんだなと思うようになった
私は絶望することができた
だけど一方その目論見はうまくいかなかった
絶望できたけど、絶望したって誰も好きにならなくて済むわけじゃなかった
どんどん心の中での差だけがひろがる
幸せになりたい。あれは幸せではない。幸せになりたい。それはまやかし。幸せになりたい。私に手が届くものじゃない。
絶望してもだめなのなら私は次はどうしたらいいのだろう
彼がすき。騙されたくない。彼がすき。失くしたくない。彼がすき。もう戻れない。
そうしてふと落ちて、結局またいなくなられたわけで。
どんなに男の人のことを嫌いになっていっても私は結局誰かに胸を焦がすし、どんなに男がゴミクズでそのゴミクズのなす行動がロクでもないことなんてわかっていながら捨てられても、絶望する前と同じように悲しい。ただ、「ああまたどうしようもないことをしている」って悲しみの準備を事前にしながら、6年もかけて懇切丁寧にしてきた絶望を少しづつ打ち砕かれてほだされた末にやっぱり裏切られる。
絶望の次はどこへすすめばいい